『難しい本を読むためには (ちくまプリマー新書)』
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(著) 山口尚
出版社 :筑摩書房(2022/8/8) ISBN:B0B8NF48CF
やみくもにページをめくっても、理解は深まらないから、まずは正攻法の読み方を身につけよう! キーセンテンスの見つけ方から実践的な読書会まで、 これまでとは違った読書の仕方を教えます。
目次
1 原理編
第一章 キーセンテンスを見つける
第二章 文章全体の主張を捉える
第三章 グルグル回りで読み解く
2 方法編
第四章 前提と結論に腑分けする
第五章 話の流れを押さえる
第六章 その文章のどこが重要なのか?
第七章 具体例を挙げ、深く理解する
3 実践編
第八章 ほかの人の「読み」を聞く
第九章 読書会をやってみよう
本書のテーマ
難しい文章はどうすれば読めるのか
難しい本を読む方法を提示することが全体の目標
難解な本を読解できずにあきらめてしまうことの原因は「文章を読む正攻法」を知らないからかもしれない
一定のコツをつかむことで、そうした本との関係がかわってくるかもしれない
本書の対象読者
中学生や高校生など、何かを学びはじめようとしている若者
文章の読み方を初歩から確認したい大人
《難解な本や論文をどう読み解けばよいのか》を説明する
文章を読むさいの原理的な指針
読解において活用されるテクニック
読書会のやり方など
文章を読むことに関する真実
残念ながら必勝法はない
文章の読解にかんして「確実な」方法を求めてはいけない
ただし正攻法は存在する
哲学書が多く取り上げられるが、それ以外の読書でも役立つ
文章読解の根本原理が提示されるから
「何かしらの主張を行う文章」であれば使える
第一章 キーセンテンスを見つける
キーセンテンスで主張をつかむ
キーセンテンス=文章全体の主張を表現する文
それがわかると文章の他の部分についても何が言いたいのか(それぞれの文の役割)がわかる
キーセンテンスは一文だけとは限らない
文章全体とは?
内容の切れ目をそのつど「全体」と見なすことができる(本なら節や章など)
ところで、《内容がどこでで切れているか》の理解は読み進めるにつれて更新されることがある
理解することと賛成することは異なる
理解することは、賛成することや反対することよりも前の段階で行われる
キーセンテンスを探すことは、自分にとって正しく思える個所や自分が賛成できる個所を探すことではない
キーセンテンスを見つけられると、文章中のしっくりこない個所を減らすことにも役立つ
第二章 文章全体の主張を捉える
《全体の理解を通じて部分の意味をつかむ》
部分と全体
第一章では「部分」を見た、ここでは「全体」を見る
部分と全体は別個のものではない
《全体を制さぬかぎり部分を制することはできない》
例:千葉雅也さんのツイート『ツイッター哲学』より
勉強が嫌い、というのは自分を変えたくないということだと思う。そして勉強嫌いが多いのは、今の自分でまあいいかという人が多いからだろう。別人のように変わることは、恐ろしいことなのだろう。勉強することは、変身の恐ろしさのまっただ中にダイブすることだ。
第三章 グルグル回りで読み解く
キーセンテンスが先か、全体の把握が先か。
堂々巡り
難しい本を読む方法には、堂々巡り(グルグル回り)のような何かが含まれる
解釈学
解釈学的循環
頭から順に理解していくという線形の進め方ではない
読み手はむしろ、部分の意図がわからないときには全体を俯瞰する視点へジャンプし、全体の趣旨がつかめないときには重要そうな箇所を探す、という右往左往を行う必要があります。こうした往復運動によってのみ文章の意味は明らかになるのです。
だから「こうしたら絶対に読める」というハウツー本は真実よりも多くの虚偽が含まれていると著者
必勝法、攻略本はない。ただし正攻法はある。
ラテン語の格言ゆっくり急げ Festina Lente!
読書メモ(覚え書き)
社会人にも広く有用だし、難しい本を読まなくても役立つことは多いと思う。
SNSによって知識人が案外大したことがないがわかった、みたいな話があるけども、それ以上に私たち一般市民があまり文章を読めていないことが明らかになったことの方が大きいのではないか。
プリマーレーベルですが、大人でも十分役立つ内容です。文章読解の要点と日本哲学の紹介の両方が行われている見事な構成です。
タイトルが(よくある)『難しい本を読む方法』になっていない理由が最後に示されていて、なかなか興味深かったです。
#書籍名